「書海」 【誌上セミナー】(第1期)半切り七絶に挑戦・・・作品制作の要領      ポイントー1   ポイント-2
「書海」 【誌上セミナー】 作品制作の要領 (初學のために)         (本誌11ページ)

【誌上セミナー】は、課題の活字から直接、書作品を創作できる力を養う目的で開講するものです。しかしながら學習過程では、各自が先ず字書や芳翠先生の手本あるいは作品から、それぞれの書體で集字をして、先ず、正しい用筆や美しい字形を理解、習得して、更に配字や布置、章法を考慮して作品構成を考えた上で制作に取りかかることになるでしょう。

◇ 今月は第一回で、誌友の皆さんにも十分な準備の時間が無いと思うので、編輯部が集字の代行をしてみました。今後は誌友各自が、字書を準備し、芳翠先生の手本や作品の資料を集めておいて、課題字句に最も適した字形、書風を選んで作品を構成する力を養って頂きたいと思います。

書道字典にも色々出版物があります。最も手頃で比較的使い易いものは、角川書店「書道字典」(伏見冲敬編)でしょう。B5判全二冊の大きな本とA5判で一冊にまとめられた縮小版がありますが、通常は小さい本が便利で充分活用できます。他にも携帶に適した小さな本や、最近、二玄社から出版された「大書源」などはB5判全三巻、總三○○○頁にもなる大冊ですが、全頁の畫像データが入ったDVDが添えられています。

字書はデータが多いに越したことはないと考えがちですが、問題は内容です。間違いの無いことは勿論ですが、資料が多すぎると怪しいものやつまらないものも含まれるものです。見る側が確りした見識を持たないと、多くの中から良い物を搜すことが難しいことになります。

書海の誌友なら、普段『書海』やその他の印刷物で芳翠先生の字をコピーなどして集めておけば、概ね統一された書風の、しかも、形よく、用筆の正しい文字を揃えることができて、普段の學書成果を發揮するのに最適な「マイ・字書」ができます。「習字は集字から」今は、コピーも縮小、擴大が自由にできる時代ですから、是非實行して下さい。

取り敢えず芳翠先生の『眞草千字文』があれば、楷書と草書は一○○○字揃うわけです。毎月の『書海』も習っただけで捨てないで下さい。『書海』一○○○號は「寶の山」です。

今回は皆さんのために、先ず『眞草千字文』から集字して置きました。千字文にない文字も、手頃なお手本から拾いましたが、なお足りない部分は角川書店「書道字典」からの轉載です。

〔楷書條幅〕

◇ 半切に楷書で七絶二十八文字を書く場合、基本は一行十二字の三行、

三行目は四字で本文を書き終え、その下に落款をいれます。

◇ 活字で組むと右のようになります。活字というものも長い年月を掛けて、整然と並べるのに適した字形に研究されていますからそれなりに參考になるものですが、それも小さな文字の範圍で考えられたものです。

◇ 毛筆の楷書體といっても正楷體から行楷體まで色々です。

芳翠先生の作品を見ても一月號掲載の正楷「拜觀光明皇后御書樂毅論」と六朝風「書海刊行四百號所感」は書風が違い、「偶成・暴虎馮河」は更に鄭道昭風を入れています。芳翠先生の楷書を集字したからといって、そのまま眞似して書いても、正楷體と行楷體が混在しては不調和です。また、細字を擴大して書いたり、大字を縮小して書くのにも無理があります。氣をつけてください。

◇ 今出版されている眞草千字文の楷書は「四百號所感」に近い書風です。これを並べるも可、少し字並びをずらして配字することも出來るでしょう。

◇ 楷書半切に七絶を整然と書いた場合の問題は、三行目四字の下に大きな餘白が生じ、ここに「某某書」だけでは收まりが着き難いことです。芳翠先生の作品を見ても「芳翠英書」「芳翠山人書」としたり、「詩題」や「干支」を加えたものが殆どです。

今回の課題なら「司馬光詩初夏 某某」としたり「戊子孟夏 某某書」とか「某某散人書」などと巧みに落款出來ると作品の纏まりがよくなるでしょう。

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